取り扱い商品のご紹介
甘みのある美味しい魚ですが、鯛の仲間とは縁遠く、彩り、肉質と優美な姿によるあやかり鯛のネーミングです。
近年、高級魚として扱われ、大きいものはもっとも値段の高い魚の
ひとつとなっています。基本的に料理屋さんが使う高級魚であり、
マダイよりもはるかに高価です。
アマダイは姿、彩りが美しく、背びれ近くの濃い赤が銀白色の腹に
向かってグラデーションとなり、眼の後方下に、くさび形の銀白色の斑紋があります。眼の下には鮮やかな黄色、また、エラの下、腹びれ付近にも黄色が配され、大きな尾ビレは赤、黄、藍色という見事な配色です。
脊ビレ、尾ビレ、尻ビレは大きく立派です。そして何と言っても目立つのは特殊な顔です。大きな頭は角張って、大きな眼の前から頭部下縁にある口までが真っ直ぐになっているため、秀でたおでこのように見えます。
その顔は愛嬌があり、中国名は方頭魚、英語ではホース・ヘッド
(馬の頭)といいます。尼の顔に似て、甘ではなく尼の字を当てることもあります(尼鯛)。
生まれつきメスが多く、成熟して何度か産卵したアマダイはオスへ性転換をします。これを「雌性先熟」と言います。先にメスとして成熟し繁殖に参加して、その後、オスに性転換して子孫を残す権利を得る為に敢然と戦うのです。こうすることによって力の弱い者も、一生の内に自分の子孫を残すことが出来ると考えられています。
本州中部以南の日本海側に多く、水深30m~140mの砂泥地に巣穴を掘って生息しています。アマダイの旬は、産卵を終え体力の回復した真冬です。
アマダイには良質のタンパク質、ビタミン、ミネラルがバランス良く含まれています。また身が柔らかく脂肪分が少なく、癖がないので離乳食や病人食としても最適です。
北陸から関西にかけては、グジ、グジダイと呼ばれます。水分が多く身が軟らかいので、刺身は作りにくいです。
料理するには、水気を取って旨味を凝縮します。(昔、若狭湾の魚を京都へ運ぶとき、長道中のため鮮度が落ちるので、
ウロコを取らぬまま背中から開いて軽く塩を当てたところ、アマダイの身がほどよく締まったという話があります。)
このようにウロコを取らぬまま背中から開いて軽く塩を当てまた身を閉じて一晩寝かすと「一汐グジ」となります。
これを串打ちして皮に酒を塗りながら香ばしく焼くのが若狭焼きです。
伝統の味「グジ料理」は若狭生まれの京育ちなのです。
西京漬けもそのひとつです。西京とは京都の別名で、白味噌を京都では西京味噌と呼び味醂や酒でのばしたものに切身を漬けます。アマダイが絶品です。
また皮をすき引きにして、三枚に下ろしたら薄く塩を振り一時間ほど寝かせ、水で洗い流してから料理をします。こうすると余分な水分が取れて、旨味が増します。
代表的な料理は蒸し物と椀種ですが、淡白な白身ですので、料理用途は広いです。一夜干し、昆布〆、塩焼き、西京焼き、棒寿司、ホイル焼き、照焼き、揚げ物(フライ)、鍋物やムニエル、ポワレから様々な味付けの洋風ソースにも向いています。
皮と身の間に旨味があり、湯引きの刺身もプリッとした身に甘味と風味があり美味しいです。
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