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<ホタルイカ>
ホタルイカは、日本では日本海全域、大平洋岸でも北海道から四国沖の水深200~1000mの深海に棲んでいます。日本近海で海岸近くまで大群をなして集まるのは富山湾だけであり、常願寺川河口から魚津港までの沖合1.3kmまでの海面は、「ホタルイカ群遊海面」として国の特別天然記念物に指定されています。
富山湾の場合、新湊から魚津までの沿岸域で産卵します。このため、沿岸の定置網で捕獲したホタルイカはほとんど(99%)がメスだそうです。
寿命はメスが12~13ヵ月、オスはそれより1ヵ月短いと考えられています。オスはメスに精子を渡して死亡し、メスも産卵後間もなく死亡します。この1ヵ月の差がメスのみに与えられた産卵時間なのです。
漢字で書くと「蛍烏賊」。もちろん蛍のように光る烏賊だから付けられた名前です。その発光する仕組みもホタルと同様で酵素の働きによるものです。体は小さいですが胴、頭、腕に何と1000個もの発光器を持っています。特に腕の先端にある発光器は強力で、新聞の字が読めるほど明るいそうです。
ホタルイカは暗い時や、暗い場所(深海)を照らすために光るのではありません。逆に明るさに溶け込むための
カムフラージュとして発光量を調節しています。
夜明け前のまだ暗い時に、漁網の中で光るのは、敵に対する眼くらましのフラッシュの役目を果たしているようです。
産卵期を富山湾の沿岸で迎えたホタルイカは、昼間は深みにいて、夕方から浮上しながら岸に近寄り、午前0時から午前4時の間に産卵した後、夜明けとともに再び深みに降下しながら沖に戻っていくという行動を繰り返します。
富山湾のホタルイカ漁は3月1日に解禁され、漁期は約3ヵ月と短いものの漁獲金額ではスルメイカに次いで第2位です。
他府県では底引き網で漁獲しますが、富山湾では目前の沿岸での定置網による漁獲です。定置網で漁が出来るほど多くとれるのは、富山湾だけです。その為、富山産のホタルイカは鮮度も高く、また魚体が傷んでおらず綺麗です。
身が大きくてプリプリして独特の甘みがあり、ブランド価値が高く人気があります。築地市場で地物といえば富山湾産を指します。
富山湾の沖合い、かって蜃気楼を竜宮城に見立てた漁師たちは、産卵のために岸に寄り、沖に帰っていくホタルイカを
「竜宮の使者」と呼んだといいます。そんなロマンティックな物語が港に息づいています。
ホタルイカ料理は塩茹、刺身、鉄板焼き、パスタ、碗物、串揚げなど。そのレシピは100種にも及び一冊の本になるほどです。小さい体に似合わぬ食材として万能の底力を示します。
タコ焼きのタコブツの代わりに、ホタルイカ一匹なんて素敵です。
また、ゲソだけを集めた「竜宮ソーメン」もおすすめです。
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