富山湾のお魚プロフィール 旨い魚をいろいろ美味しく! お魚よもやま話 富山ってどんなとこ?(観光・文化・歴史)

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シラス丼

2014/8/23

シラス丼 ~生シラスは鮮度 命!~


<生シラス>

シラスは、漁獲量が多く油分の少ないカタクチイワシの仔魚が用いられることが多いです。ご飯にかけてもシラスおろしにしても旨い。シラス丼はご飯を盛った丼の上にシラスの釜揚げを山のように盛り上げて、スダチをしぼって、タレや醤油をたらして食す本当に簡単なものですが、これが何とも旨い。薬味として、ねぎ、青しそ、刻み海苔なども好みで。

最近、生シラス丼が話題に上がることが多くなりました。生シラスは、特に鮮度命なので、日本のシラスの半分を水揚げする淡路島岩屋漁港のシラス漁は漁獲され次第、運搬船で氷詰めされ港へ届けられ、セリを飛ばして買い付ける「先取り」というシステムで、加工場に直行します。

シラス丼、生シラス丼、掻揚げ、卵綴じ・・・この小さい魚、それぞれに旨い。

冬のカワハギの薄造りは肝がキモ

2014/8/22

冬のカワハギの薄造りは肝がキモ ~肝(キモ)醤油で~


<カワハギの刺身 肝付き>

カワハギといえば、何と言っても薄造り。肝醤油とポン酢を用意し、お皿が透けるように盛った透明できれいな身をお箸で4~5枚まとめてすくって食べる。フグのてっさと同じ要領です。

釣りたてのカワハギは養殖のフグより絶対に美味!と言われます。そう言えば、どちらもフグ目に属する親戚なのです。

透明感ある美味しい薄造りを作るためには何と言っても血抜きが大事。

鮮度の良いカワハギが手に入ったら、迷わず刺身です!それもキモ醤油で!
キモはサッと蒸してから磨り潰し、醤油と酢、後はお好みで酒などを加えて和えます。これに薄造りにした刺身をつけて食べますが、これは絶品です。

鱈ちり鍋

2014/8/21

鱈ちり鍋 ~崩れやすい助宋鱈(スケソウダラ)に一工夫して~

スケソウダラは、どう料理しても美味しいのですが、寒い冬に鱈と聞いたら、「鍋で!」となります。
助宋鱈は、真鱈に比べて繊維が繊細で非常に崩れやすく、鍋には向かないとされていますが、 味が良く食感も柔らかいので、下ごしらえで ちょっとした裏技を使います。

①三枚に下ろして両面に塩をして、塩が溶けて表面に水が出てきたら(約15分)、湯引きをします。

②熱湯を回し掛けて冷たい水で塩気を洗い流すと、細かい鱗(うろこ)も綺麗に落ちます。

③キッチンペーパーなどで水気を吸い取り、一口大に削ぎ切りにします。

④ここでちょっとした裏技で、軽く片栗粉をまぶします。
 これで煮崩れしませんし、鱈の旨味を閉じ込めてくれます。

⑤片栗粉で、鍋にとろみが付き過ぎてしまわないように、まぶした粉を(料理用のハケで)払います。その前に鱈の水気をよくぬぐっておく事が大事です。

⑥鱈の下処理がここまで出来たら、時間のかかる野菜から入れて、豆腐などを順番に加えていきます。

⑦片栗粉付きの鱈は、鍋の中がよく煮立っている状態で加えます。
 片栗粉で鱈をコーティングするのが目的ですから、しばらくそっとして様子を見ながら、具を追加するといいです。

出汁(だし)は
 ①昆布だし
 ②助宋鱈のアラを煮出して、濾して作っただし
 ③昆布+手羽中(手羽先)のだし
  昆布の水だしに鶏の手羽中(手羽先)を数本(5~6本)入れ、煮立つ頃から灰汁(あく)を除きます。
  20分程あくをすくったら、手羽先を取り出してだしの完成。(取り出した手羽中は、後で他の料理に使います)
上記の中から選び、ここから鱈ちり鍋にします。

タレは柚子ポン酢と昆布醤油でいただきます。
もちろん鍋の〆は、溶き卵を掛け回した雑炊で!・・・

粕(かす)漬け

2014/8/20

粕(かす)漬け

粕漬けは、味噌漬けや塩麹漬けなどと同様に、魚を(麹の漬け床に)漬けて、風味(甘い香り)と身質の奥深い旨味を味わうものです。

漬ける魚介は、真鱈(マダラ)、真鯛(マダイ)、ブリ、サワラ、キンメダイ、サーモン、ギンダラサバ、カラスガレイ、ホタテ、スルメイカなどです。
筋子(鮭の卵)も人気で、熱いご飯に最高です。

食材はそのまま漬けると粕の中に水分が出て酸敗するおそれがあるので、一度塩漬けしてから、あるいは塩をふりしばらく置いて余分な水分を取り除いてから漬けます。
ここがポイントです。

漬ける魚は、きれいに洗い軽く塩をふっておきます。
(塩味がついている場合は水洗いだけでも良いです。)

次に水気を軽く取り、一切れづつ さらし布で身を包みます。
さらし布にくるんだ身を粕床に入れ、全体が十分に粕床に漬かるようにします。

1~2日で漬かります。さらし布からとり出して、中火で焼きます。(取り出した後、水洗いはしません。)

粕床は味醂、酒などを加えて、ゆるめにし、容器に入れ魚を詰め込み、蓋をして冷所に置いておきましょう。
粕床は繰り返し2~3回使えます。
いろんな魚にチャレンジして、我が家オリジナルの粕漬けをお楽しみください。

鯛の塩釜焼き

2014/8/19

鯛の塩釜焼き ~皆の歓声が聞こえる!~

鯛を大量の塩で包み、蒸し焼きにする調理法です。簡単に作れます。
お祝いの食事のテーブルやパーティやおもてなし時に作ると「ワァーッ!」と歓声があがることうけあいです。


<鯛の塩釜焼き>

<スズキの塩釜焼き>

鯛以外にも、スズキ、イサキ、メジナ、黒鯛、アマダイ等の白身魚でも作る事が出来ます。

焼き上がった時に絵が浮き上がるように、塩釜の上に卵黄で絵や文字を書いてもよし、主役の方に塩釜を割ってもらう儀式の演出を加えると、さらに盛り上がります。

塩釜焼きのそもそもの由来は、戦国時代までさかのぼります。
豊臣秀吉は朝鮮出兵の際、玄海灘の鯛を大阪の母に届けました。そのときに、うまみを損なわないように鯛を塩で包んで焼いたのが塩釜焼きの始まりだといわれています。
冷蔵庫のない時代、内陸部に届ける際に、保存目的でこのような調理手法がとられていました。

[材料(4人前)]
・鯛 1匹 (ウロコ、エラ、内臓を取り除いたもの)
・ローズマリー   2枝
・タイム      2枚
・卵白       3個分
・粗塩       1kg
・小麦粉(薄力粉) 200g
・ダシ昆布     5cm角 数枚
・大葉       8枚
・レモン      1個
・オリーブオイル  適量

[作り方]
① 粗塩と小麦粉(薄力粉)を軽く混ぜ合せる。(小麦粉を混ぜるのは、塩釜を割りやすくするため)
② 卵白と少量の水を加えて、良く混ぜ合せる。
③ 鯛の腹にローズマリーとタイムを詰める。
④ 天板にアルミホイル(耐熱皿でも構いません)を敷いて、鯛の大きさに合わせて②を薄くのばし、
  昆布、大葉、鯛の順に乗せる。
⑤ 鯛に日本酒を少し振りかけ、鯛の上に昆布、大葉の順に乗せる。(昆布と大葉を逆にしても構いません)
⑥ 全体を塩で覆う。
⑦ 卵黄で模様を描いて、180℃のオーブンで1時間程焼く。
⑧ 食卓で塩を金槌などで割って、中の鯛を取り分けていただく。(頭から尾の方向に塩をはがしていくと皮がはげない)

レモン、オリーブオイルをかけて、またお好みで醤油をたらしていただきましょう。
お子様は特に骨に気をつけてお召し上がりください。
はがした粗塩は再度使用できます。

美味しく焼きたてをお召し上がりいただくために、食べる時間から逆算して焼き始めるのがおすすめです。

白子の柚子釜蒸し

2014/8/18

白子の柚子釜蒸し

柚子釜は、柚子の果肉をくりぬいて器にしたもので色鮮やかで食卓も華やぎます。
香りを生かすのが大切。スプーンで果肉をくりぬいた後は皮を洗わず、内側についた果汁を布巾で拭いておきましょう。


<白子の柚子釜蒸し>

柚子は蒸すことで香りが強まり、茶わん蒸しにも柚子の香りが染み込みます。ただ、蒸すと柚子の水分が出るので卵液が固まるまで時間がかかるので、弱火か中火で蒸すことが多い通常の茶わん蒸しと異なり、強火でしっかり蒸すのがポイントです。10分たったら卵液の表面が固まっているか確認。固まっていなかったらさらに蒸します。表面が固まったら、さらに弱火で5分蒸します。(そうすることで内部も固まります)

柚子釜は器が小さいので、具材は1種類か2種類に。白子以外に鱈、カニ、ホタルイカ、エビなどでも美味しくできます。

柚子釜には白子と同じように、しょうゆをなじませて下味をつけておきます。卵液は器いっぱいに入れると蒸す時にこぼれてしまうので、分量は器の8分目程度にしておきましょう。

蒸し器から出来上がった柚子釜を取り出すと、鮮烈な香りが漂ってきます。濃厚な味わいの白子は、ぷりぷりした食感。淡泊でとろけるように軟らかい茶わん蒸しとのコントラストが絶妙です。
1つと言わず、幾つでも食べて下さい。

[作り方]
① 柚子の上部5分の1を包丁で切る。底を数mm切って平らにする。柚子の中身をスプーンなどでくりぬいて器を作り、布巾などで器の内側を拭く。
② 卵をボウルに入れて泡立て器で溶き、だし汁と薄口しょうゆ小さじ2杯を合わせて卵液を作る。
  できた卵液をこし器でこす。
③ 白子を一口大に切り、ボウルに入れる。しょうゆ適量をかけ、手で軽くもんでなじませる。
④ ①の柚子の器それぞれに白子を数切れずつ入れ、さらに卵液をお玉で8分目まで入れる。
⑤ ④の上部をアルミホイルで蓋のように覆い、蒸し器に入れる。強火で10分蒸し、卵液の表面が固まっていなければ、さらに蒸す。
  表面が固まったら、弱火にして5分蒸して取り出す。
⑤ 細かく刻んだアサツキをのせる。

くりぬいた柚子の果肉を活用して、魚に柚子の風味をつける柚香焼き用のタレが作れます。
作り方は、しょうゆとみりん、酒を同じ割合で合わせ、柚子の果肉(あれば皮も)を好みの分量入れて漬けておくだけ。
ブリやタラなど魚の切り身をタレに5分ぐらい漬けて、グリルなどで焼く。焼く途中で再び漬けてもいいですね。
魚が爽やかな味わいになります。

メジマグロを刺身で

メジマグロを刺身で ~子どもとあなどるなかれ!~

<メジマグロ>

<メジマグロの刺身>

ホンマグロの生後1年くらいの30キロ以下のものは、メジ(メジマグロ)と呼ばれます。
富山湾では、定置網漁で10月~12月に水揚げされます。

20kg~30kgのマグロを目の前にして、これが子どもなのか?と思われるかも知れませんが(ブリの成魚でも10kg~15kgの大きさです)、クロマグロは300kgを超えて成長する大型魚です。産卵できるようになるのは3歳30kgを超えてからです。

子どもだからと言って馬鹿にしてはなりません。小さくたってほんのり脂も乗っており、あのホンマグロ独特の微妙な酸味もあります。

値段も手頃であり、店頭で見かけたらお買い求めされてはいかがでしょうか。メジマグロに冷凍物はありません。メジマグロの獲れたての刺身はやはり味が違います。ワサビ醤油が合います。

カレイの刺身

カレイの刺身  ~ヒラメにだって負けていません~

<マコガレイの刺身>

<赤カレイの刺身>

ヒラメは刺身で決まりですが、みなさんはカレイの刺身を食べたことがありますか。

カレイ料理の代表的なものは、煮付け、塩焼きと言えますが、鮮度が良く 身厚なカレイが手に入ったら刺身で食べてみて下さい。

透き通る艶のある身と、上品な甘みが絶品です。縁側はコラーゲンがたっぷりです。醤油とワサビよりも、ポン酢醤油にもみじおろしで食べると、旨みや微妙な甘さが引き立ちます。

中華の逸品

2014/8/17

中華の逸品 ~魚の丸蒸し(清蒸全魚)を作ってみよう~

清蒸とは、素材に下味を薄く、あるいは付けずに蒸し上げる調理法です。
この料理に合う魚は、基本的に白身魚なら何でも良いですが、中でもハタ類キンキメバルカサゴアマダイなどのふっくら仕上がるものが適しています。切身でも良いですが、赤い色の魚を一匹丸ごと蒸した方が、見栄えが豪華になります。何よりも大事なのは魚の鮮度です。鮮度命の料理です。

作り方はいたって簡単です。
①魚のうろこ、内臓、エラを取り除いて水洗いをして、しっかりと水気を拭き取ります。
②丸ごと一匹、身厚ですので、蒸気の熱が中まで均等に効くように、切り目を入れておきます。
③魚の腹腔、口にねぎとスライスしたショウガを入れます。切り目にショウガを挟みます。
④皿にネギを敷いて、線路の枕木のようにしてその上に魚を置きます。こうすることによって、
 皿に接する面にも蒸気がまんべんに回ってムラなくふっくら蒸せます。
⑤魚の上から酒(紹興酒または日本酒)を振りかけます。
 (大匙1~2杯くらい)

⑥蒸気が上がってきた蒸し器に入れて、そのまま強火で15~20分程度
 蒸します。
⑦その間に、白髪ネギ、ショウガの千切り、魚にかけるタレ(蒸し汁、
 醤油、紹興酒又は日本酒を各1:1:1)を用意します。
⑧次に③のネギとショウガを取り除きます。
⑨タレを火にかけ、煮立ったら魚の上から適量をかけます。 
⑩魚に白髪ネギ、ショウガの千切りをのせます。
⑪よく熱したゴマ油(サラダ油でもOK。大匙1.5杯)を魚の上に、ジュッと
 回しかけて完成です。ほぐした身を皿にたまった汁に付けていただきます。

締めサバ(キズシ)

締めサバ

脂の乗った真サバは真鯛より断然高級魚であり、ビビってなかなか買えないくらい高値がつきます。
鮮度抜群の脂の乗った真サバで作る「締めサバ」は、しみじみとサバの奥深い旨さが愉しめる逸品ですが、
ご家庭でも簡単に作る事が出来ます。

① まず三枚におろして強めに塩をします。
② 余分な水分が抜けたら塩を洗い流し、酢に漬け込みます。
③ うっすらと身色が白くなってきたら、酢からあげて、小骨を抜いて、手で薄皮を剥いで出来上がりです。

そのまま締めサバ(キズシ)として刺身のようにワサビ醤油(しょうが醤油)で食べますが、寿司飯に乗せてサバ寿司を作ってみることもおすすめです。

サバの鮮度、塩・酢に浸す時間、骨抜き、酢の甘さ加減がポイントです。
酢をブレンドしたり、少量の日本酒を加えたり。
詳細なレシピは「鯖寿司(バッテラ):しめ鯖 レシピサイトぷちぐる」 が一番分かりやすいと思いますので参考になさって下さい。