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こきりこ節は日本で一番古い民謡です。こきりこは田楽から派生し、田踊りとして発展しました。
田楽や田踊りは、五穀豊穣を祈り、百姓の労をねぎらうため、田楽法師と呼ばれる職業芸能人たちが田植えや稲刈りの間に行った踊りでした。
こきりこが世に知られるきっかけとなったのは、昭和5年に詩人の西条八十氏が五箇山を訪れたことでした。この時、すでに五箇山でこきりこ節をうたう人はなく、伝承され続けて来た古謡がこのまま滅び去ってしまうのかと危惧されました。
しかし、こきりこ節最後の伝承者 山崎しい老を探し出すことが出来、西条八十氏が山崎しい老の演唱を採譜して発表し、一躍脚光を浴びることになったのです。
昭和51年、皇太子殿下(現 天皇)が学友とともに五箇山を巡遊の際にご鑑賞になった”本場の闊達な中にも哀調を帯びた「こきりこ踊り」”にいたく感銘を受けられ、平成3年、宮中恒例の歌会始めに「五箇山をおとづれし日の夕餉時、森に響かふこきりこの唄」とお詠みになり五箇山への敬慕の念をあらわされたのです。
世界遺産として高く評価され、永久的保存が叫ばれている合掌造りとともに「こきりこ」は五箇山を代表する歴史的遺産として末永く保存されると同時に、心のふるさととして慕われていくことでしょう。
こきりこは、「筑子」「小切子」とも書き、二本の竹で作った簡単な楽器の名前に由来していると言われます。これを手首を回転させながら打ち鳴らすと、軽やかな音を出します。
また、竹の板を束ねて半円に構えて波打たせて鳴らす「ささら」の不思議な響きも耳に残ります。鍬金(農耕用の鍬を打楽器として打ち鳴らすもの)や太鼓も、田楽のころから残ります。鍬金(農耕用の鍬を打楽器として打ち鳴らすもの)や太鼓も、田楽のころから変わらずこきりこ節の伴奏を奏でています。こきりこ節の特徴的なお囃子「デデレコデン」は、太鼓の音を表したものとされています。
「五箇山こきりこ祭り」
~優雅でキレのある踊りが人々を魅了します~
五箇山の秋を彩る「こきりこ祭り」は、毎年9月25・26日白山宮境内の特設ステージでささらを鳴らしながらの優雅でキレのある踊りが披露され人々を魅了します。
平安貴族の衣装である狩衣をまとい、木の板を編んだささらを打ち鳴らして舞う古くから受け継がれる優美な舞で、鍬金、筑子竹、鼓、横笛、太鼓のメロディー、「ささら」の「シャッ」という音がまるで合いの手のように踊り全体を引き締めています。
総踊りでは、保存会員と来場者全員でこきりこを踊り、楽しく覚えることが出来ます。
こきりこに欠かせない「ささら」は人間の煩悩と同じ108枚の選りすぐりの桧板を紐で結わえてあります。編み方次第で音の善し悪しが左右されるため、熟練した職人が丹精込めて作っています。その斬新な造形から、置物にもなる不思議な楽器で、最近ではインテリアとして買い求める方も多いようです。
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